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『THE BATMAN / ザ・バットマン』

IMAX 2D版 , IMAXレーザーGT版
犯罪者への復讐を誓い夜毎マスクで素顔を隠し犯罪者らを暴力で捩じ伏せる闇の探偵<バットマン>として自警活動をする青年ブルース。

活動を開始して2年の時が経つ中、犯罪都市ゴッサムシティである事件の不正に関与したマフィア・政治家・悪徳警官らが次々と謎の猟奇殺人犯<リドラー>に殺害され警察と共に事件を追う<バットマン>だったが、やがて彼の忌まわしき過去に隠された闇が暴かれて行くクライムスリラー

本当の意味で求めていた真の<バットマン>を単作で描いてくれた実写化の大傑作✨

ノーラン監督版「ダークナイト 」3部作の様にリアリティを求めながらTM版の様に陰湿でシリアスな90年代映画を彷彿させる犯罪都市ゴッサムで展開されるフィンチャー監督作品「セブン」の世界観をバットマンのキャラに置き換えたかの様な今作は、シリーズ屈指で病んだバットマンの探偵活劇ノワール&ヒーロー譚で最高！

冒頭から終盤近くまでの殆どの情景が土砂降りの雨降り続く夜の街で、至る所で犯罪が勃発し、ネオン光の影に潜む影を際立たせる漆黒の「黒」と暴力による”復讐と嘘”を象徴する「赤」、そしてその暗闇に差し込む”希望と正義”を表す「オレンジ」…
嫌われ恐れられるダークヒーローを意味求めたのは「希望」。

ブルース・ウェイン / バットマン
幼少期に両親を殺され愛する人を失った富豪の御曹司であり、街の浄化を願い残された資産を自警活動に費やし世間との関係を断ち切り夜毎、<復讐者>の異名で犯罪者たちの恐怖を利用し震え上がらせる漆黒の騎士として活動中！

本作の大半時間をバットスーツで暗闇からブーツの足音を響かせながら登場し犯罪者たちを相手にする際は全くの手加減無しのドン引き暴力の限りを尽くして捩じ伏せ、犯罪現場では科学を活かした装備品で証拠を探る”世界最高の探偵”振りを披露するなど最初期のコミックスに基づく描写を取り入れた演出は嬉しいし、マスクを外しても目元黒塗り状態のブルース・ウェインが凄く珍しいと思うし従来のプレイボーイ感をかなぐり捨てた生活を送り口から出るのは皮肉…

また死んだ目になりバットマンコスを纏い激しいアクションや人間ドラマを目と表情で語り尽くすインディーズ映画で詰んだ経験を発揮したパティンソンの演技力の集大成に惚れ脱帽した。

マシンガンで「復讐野郎！」って煽ってドン引きしてたら逆に爆音エンジンで煽り運転返しされてビビるペンギンさん大好きだし、「もう、狂ってる！！」って称賛の言葉を投げたい中盤の土砂降り雨の中で逃走するペンギンと繰り広げるカーチェイスの手に汗握る迫力MAX‼️な面白さと物を破壊しながら爆走で追いかけて来るバットマンの駆る爆走バットモービルの恐怖描写はもう個人的性癖にブッ刺さるエンタメホラーでした！

今作で新たなバットマン像を音楽で表現したのは今作のリーヴス監督作品「猿の惑星」新3部作を手掛けたマイケル・ジアッチーノ。
今回はガッツリテーマ曲の音程や強弱を変えて90年代風の反復演出に加えバットマン時の荒々しさと悲哀感にサスペンス調音楽で様々な場面に生命を与えた彼の新境地を味わえた。

量産され行く昨今のアメコミヒーロー映画の１つに数えられる今作は、従来のアメコミ要素を徹底的に排除しリアル且つ繊細に、真面目に作られた物語と役が役者に憑依し内なる”狂気”に満ち溢れた演技が観客をスリル満点の作品に没入させ圧倒し時間経過を感じさせぬ怒涛の176分に浸れた今作は単作として素晴らしい👏

☆☆☆☆☆