ブログ
吉川 佑人
『WHERE THE CRAWDADS / ザリガニの鳴くところ』鑑賞
11/22
『WHERE THE CRAWDADS /
ザリガニの鳴くところ』
1969年ノースカロライナ州の湿地帯で町の人気者の青年の変死体が発見され、幼くして両親に見捨てられ1人湿地帯で孤独に生き抜き暮らす少女に容疑が掛り彼女は弁護士に彼女の半生と2人の青年について語り始めるサスペンスミステリー
物語に浸らせ見守らせる傑作ドラマに涙する
社会的弱者と勝手に位置付けし、”よそ者”と差別し軽蔑して来た社会と孤独さに付け入り弄ぶ男たち…
犯人探しのミステリーの皮を被り捨てられない過去と愛と夢を内に求めて希望を捨てずに自然に愛されてきた一人の女性の半生が法廷で明かされ語られて行く傑作ヒューマンドラマ
法廷サスペンスと殺人容疑ミステリーを被った今作は、幼くして学校に行かず社会から離れ孤立した中で湿地帯という大自然を愛し、愛されたカイアという1人の女性の「生」を魅せる強さと「自然の美しさ」がバチバチに絵になる美しき「愛」を描いた作品でもある。
社会から離れ生活するカイアの家庭事情を知り彼女がまだ幼い頃から唯一の外界との繋がりでもあり、町の人間と違い軽蔑せず見守り手を差し伸べてくれた湿地帯近くの小店を営む黒人夫妻の愛情溢れる穏やかさが癒し。
カイアの弁護を引き受けたストラザーン演じるミルトン弁護士の健気で紳士的役柄も見事!
読み書きを知らぬカイアが湿地帯で幼き頃に出会い彼女の友人兼先生の様な関係から最初の恋人となる青年テイト
彼との自然の中での触れ合いやキスまでを含めた美しいシーンは見惚れる。
一方で町の人気者で金持ちの親を持つ青年チェイス
ある理由で傷心のカイアと恋に落ち矯正せずに触れ合うが実は…と恋愛ドラマ的にいえばあるあるで、タイミング!っともどかしく苛々させる人間ドラマまで込み込みなカイアの語る過去の男性2人との関係
人間性が対照的な2人のベッドシーンもちゃんと対比がなされていて彼女を気遣いロマンチックなのはテイトで、サッサと済ますのはやっぱりチェイス…
演出上手すぎる。
親に見捨てられ波瀾万丈な人生の中で出会った2人の男性との恋に人生を左右する殺人容疑を掛けられた裁判…
私を軽蔑し蔑む外の世界など知った事か!「それでも私は”ここ(湿地帯)”で生きて行く!」強く生き複雑な少女カイアを熱演した美しきデイジー・エドガー=ジョーンズの熱演に見惚れた2時間だった。
テイラー・スウィフトが今作の為に提供した「Carolina」
今作の鑑賞中に”傍聴し見守っていた”観客が感じた様々な感情や映画の世界観を表現したこれまでの楽曲とは全く違うテイテイの歌が聴けるよ
☆☆☆☆