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吉川 佑人
『THE INVISIBLE MAN /透明人間』鑑賞
7/13 鑑賞
『THE INVISIBLE MAN /透明人間』
天才科学者でDV夫の豪邸から脱出した女性が新生活を送ろうとする最中、遺書を残し自殺した筈の夫が<目には見えない存在>=”透明人間”となって執拗に襲い掛かって来るサイコスリラー
陰湿で最悪な嫌がらせ×見えざる支配の恐怖を新鮮な切り口で描き現代版への進化を遂げた傑作!
“見えない何か”によって常に見張られているかもしれない恐怖とその恐怖が迫っていても、周囲は誰1人信じてくれず自身の正気を疑い次第に心が追い詰められ孤立してゆく1人のDV被害者のトラウマや心の奥底に根付いた心理的恐怖にスポットを当てたサイコホラーとなってて最高!
<透明人間>
自身の元を去ったセシリアへの異常な狂愛と偏執的な妄想で彼女を追い詰める
幽霊、ストーカー、サイコパス、DV男と嫌な要素を詰めに詰めハイテク装備を併せ持ち誕生した新生”透明人間”はSNSが普及した現代社会における姿が見えないタイムリーで身近に忍び寄る「匿名」の恐怖を与える代弁者だ
2時間に及ぶ「被害者視点」で描かれる死んだ筈のソシオパスのDV夫からヒロインへ、
そして観客へと突き付けられる陰湿で胸糞な精神的苦痛を遺憾無く味あわされる今作は
リー・ワネル監督独特のカメラワークに加えて、何者かの気配を感じさせる一定の間や恐怖を掻き立てる空間演出が緻密で恐ろしい!被害者視点から描いた新たなる恐怖の捉え方が実に良い!
☆☆☆☆