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吉川 佑人
『SUSPIRIA(2018) / サスペリア(2018)』
『SUSPIRIA(2018) / サスペリア(2018)』
1977年ベルリン、 世界的に有名な”マルコス舞踏団”のカリスマ振付師からセンターに抜擢された新人ダンサーの少女の周囲で起きる不可解な失踪と舞踏団に隠された”古の闇”を6幕構成とエピローグで綴り現代へと解放させた新たなる魔女伝説の問題傑作‼️
オリジナルを踏み倒し世界観を狂気的&官能的かつグロテスクに仕立て脳裏に焼き付けさせる傑作!
オリジナルの舞台となるベルリンや登場人物たちの名前はそのままにして、今作では1970年後期の時代の時代背景を深掘りし、混沌とした世界情勢内での”狂宴”をオリジナルよりもショッキングかつグロテスクに描いている。
断固として言えるのは「絶対にあんな死に方はしたくない!」だ。
全く別の作品へと造り替えたリメイク版になってもやっぱり
“嘆きの母”、”涙の母”、”暗闇の母”という災いを齎す三母神のキーワードは引き継がれどの画も落ち着きが無く、見てて”不吉”そのものと言える描写で寮母の叔母様方の口角引きつったかの様な笑顔含めた言動全てが怖い。
S ⋃s⁋╹R ℹ︎ ⃤
「母たち」による舞踏団支配と無我夢中で「他人の踊り」を踊る少女たちの関係性の恐ろしさがティルダ様演じる聖母みたいな振付け師マダム・ブランの表情を変えない怪演と相まったバランスが程良い。
ビジュアルを目に焼き付ける終盤のスージーら少女たちの赤紐×上半身半裸の圧巻のダンスは美しい❣️
偉大なる本家「サスペリア」を踏み倒して新しい”魔女伝説”創造しただけでなく、この現代へと”解放”させたグァダニーノ監督の恐るべき尊敬心で観客を殺しに来たショッキングでグロテスクかつ官能的な描写は「女性たち」を体現し、暗闇と苦痛の中へと沈め受け止め方を観客に託した傑作‼️
Amazon prime 独占配信となる「日本語吹替版」ソフト版にすら入っていない日本語吹替版ではあったがオリジナル音声をそのまま活かして途中途中は吹替が割り込む形で観れるサスペリアとなっていてズルい。
☆☆☆☆