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吉川 佑人
『CANDYMAN (2021) / キャンディマン(2021)』鑑賞
10/16
『CANDYMAN (2021) / キャンディマン(2021)』
新設の建物に越して来た黒人の芸術家が創作活動の一環で呪われた存在”キャンディマン”を呼び覚ましてしまった事で彼の周囲で不審な殺人事件が発生し始め彼自身にも次第に異常が起こり始めて行くカルトホラーの正統続編
92年の1作目から約29年の時を経て現代に復活し人種差別問題を扱った傑作スリラーだった。
決して消え無い”怨念”の連鎖と人種差別問題を「都市伝説」を使い一括りにまとめ上げていた今作はオリジナルの92年版の直接的な続編でもあり、その精神を現代社会への問題提起を最後の最後に魅せたスリラーとして描いている。
尚且つエンドロールの”継承”を見せる影絵が👍
惨殺シーンも多数出て来るものの昔ながらの間接的な小道具でチラチラと見え隠れしたり、シリーズ恒例?のキャンディマンの存在を認識させる「鏡」にのみ映り込み鋭利なフックで喉元や胸ぐらを切り裂き次々と惨殺するゴア描写がリアルで恐ろしい。
警官相手に立ち塞がる終盤は恐ろしくも爽快感満載!
92年版を未見の観客でも分かるようにザックリとした都市伝説としても振り返りがある今作は、鏡に映る殺人鬼、優雅に立ち聳える高級なシカゴの住宅街と反対に位置する朽ち果てゴーストタウンと化した郊外の団地をアップや引きで撮影する光と影、白人と黒人を彷彿させるカメラワークによる演出が鳥肌!
☆☆☆
*「キャンディマン (92)」*
鏡の前で名前を5回唱えると現れる“キャンディマン”の伝説を研究する女子大生がコートを纏った謎の黒人と遭遇して以降、関係者や友人たちが次々と殺され自身もまた窮地と絶望へと追い込まれて行くミステリーホラー
金髪美人女性が凄惨な目に遭う理不尽なる作品であると共に初見時は奥が深い作品だとは気付かずにいたが改めて見直すと、
「都市伝説」をテーマにした究極の白人たちへのリベンジミステリーだった今作であり、何を言わそう縁の無い凄惨な事件を調べ利用する白人女性が散々な目に遭う今作の都市伝説はスラム街の住人たちの間で騒がれる問題と進歩無い社会への警鐘作品