ブログ
吉川 佑人
『BABYLON / バビロン』鑑賞
2/13
『BABYLON / バビロン』
サイレント映画量産時代 1920年ハリウッド。
“スター”を夢見てアメリカへとやって来た自由奔放な新人女優と映画製作の夢持つ青年とサイレント映画の現トップ俳優ら3人が出逢い各々が野心で上り詰める中、変遷を迎える「映画」の誕生が社会的地位や肩身を狭め輝き続けた彼等を照らす栄光が時代の影に消えて行くコメディドラマ
色々あっても輝き続けて夢を見させてくれる「映画」って存在はやっぱりいいよね。
欲望渦巻き豪華絢爛・栄枯盛衰までをまさに常軌を逸した世界観で観客すらハイにさせ理性を軽くブッ飛ばし、高揚感溢れるジャズの音色で盛り上がる開始5分で放り込む狂乱パーティーから幕を開け、時代を席巻していたスターたちの衰退までをドラマ仕立てにした今作。
「映画」が時代と共に移り変わる中で終始夢を見させられているかの様な気分の観客と夢を与えて死んで行く変遷時代に生きた人々の想いが交錯し”消えた人々の鎮魂歌”=「映画」というものを銀幕を通して触れる”消えゆく人々”である観客はその人の生きた証を遺した作品を見る。
そんな絶対的に確立された機能が今も存命する機能がある限り人や映画というものは何度でも甦り、永久的に不滅である。
ジャック・コンラッド
MGMに所属するサイレント映画の看板的スター俳優にして超金持ち
酔い潰れてバルコニーからプールに転落したりするけど相変わらずイケおじ感出してた姿から一転して終盤の居場所が無く親友を亡くした元スター俳優になった途端の哀愁漂う背中と彼になりきったブラッド・ピットのやるせない表情演技は流石👏
ネリー・ラロイ
自分を馬鹿にする田舎町から抜け出し突如招待無しのパーティーに参加した事で撮影に呼ばれ、演技を評価され一躍スターの座を奪ったヤク大好き💕な
野心家で自由奔放な女優を目指す美女
下品極まりない役柄を大胆に演じ通常営業かつ女優魂をぶつけ、男を焚き付ける妖艶な雰囲気を見せたマーゴットロビーの今作でも蓋を開ければハーレークイーンの中身は変わらなかったが優雅なファッションは最高だったし、スターの座を離すまいとする意地と上流階級のクソどもに媚びを売らず時代に逆らおうと暴言とゲロで「ありのまま」を吐き出し闇へと消えて行く姿は何処となく美しく儚い。
セリフや映像表現でオマージュやネタをブッ込んでた今作の中でもダントツで分かり易かったけど、完全にやりやがったなココ。
比較写真は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より
ブラピの演じた俳優の栄光と衰退が一発で分かるこのショットの美しさと儚さが相まったシーン
と
冒頭の狂乱ドンチャンパーティーシーンが1番のお気に入り😊
にしても何人か突如として出て来たカメオ出演であの扱いされるサマラ・ウィービングや冒頭30秒で怒鳴り散らすしか出て来ないオリヴィア・ワイルドの無駄遣いも素晴らしかった〜
3時間があっという間に過ぎる過激な演出と下品極まりないブラックジョークで笑いまくって全然中身が入って来ないが「映画愛」だけはしつこいくらいに感じられた秀作だったぜ。
え?つまり好きってことよ。
人を選ぶ「like.」である事は確実だけどね
☆☆☆☆